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【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。

      2016/05/26

でも、それも断った。

いつまでもじいちゃんたちに負担をかけるわけにはいかなかったし、ひまわりの学費も工面しないといけなかった。

その決断に、悔いはない。もっとも、ひまわりも大学に行かずにアルバイトをし始めてしまったから、結局無用な心配だったが。

「……結婚、か……」

ふと、ひまわりに言われたことを思い出した。

結婚と言えば、忘れもしない出来事がある。

……ななこさんの、結婚だ。

オラが小学校の時のことだった。

ななこさんは就職し、同じ職場の男性と結婚した。

とても、いい人だった。その人を見た時、オラは全てを諦めた。この人なら、ななこさんを幸せに出来る――小学生ながら、生意気にも、そんなことを考えていた。

しかしまあ、ひたすら泣きまくったものだ。

そんなオラに、父ちゃんは言った。

『想いが成就することは、人生の中では少ない。人は誰かと出会い、想い、こうして、いつか想いを断ち切らなければならない時が来る。人生ってのは、そうやって繰り返され
ていくものだ。

――でもな、しんのすけ。大切なのは、その時に、どういう気持ちでいられるかってことだ。

ななこさんは、きっと幸せになる。本当にななこさんの幸せを思うなら、彼女の門出を祝ってやれ。

泣きたいときは、父ちゃんが一緒に泣いてやる。だから、祝ってやれ。それが、お前に出来る、最大の愛情表現だ―――』

そしてななこさんは、結婚した。


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今では、二児の母となっている。時々家にも遊びに来る。幸せそうな彼女の笑顔を見ると、こっちまで幸せになる。

憧れは思い出に変わり、思い出はいつまでも心を温めてくれる。

そうやって、人は大きくなる―――

これも、父ちゃんの受け売りだ。

(ひまわりも、いつか結婚するんだろうな……想像も出来ないけど)

ひまわりのことを思うと、思わず笑みが零れた。

どうもオラはひまわりに甘いところがある。たった一人の妹で、大切な家族。オラの、大切な。

今はただ、彼女の幸せを祈りたい。

父ちゃん達が他界した時、ひまわりは塞ぎ込んでしまった。

学校にも行かず、ずっと仏壇の前で泣いていた。

今では、それも嘘のように元気だ。

でもひまわりは、家族がいなくなることにトラウマが残っている。

一度、オラが事故で病院に運ばれた時、泣きながら病院に駈け込んで来た。

病室で眠るオラに、大声で泣きながら『置いてかないで』と叫んでいた。

オラは寝てるだけだったのにな。

今はどうかは分からない。

ただ、彼女を心配させないためにも、オラは元気でいないといけない。

今のところ生活も安定している。

このまま、平穏に暮らせていけば、それ以上に嬉しいことはない。

「……そろそろ寝るかな」

寝室に戻ったオラは、布団に潜った。そして、静かに目を閉じた。

それから数日後、オラはとある居酒屋にいた。

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