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【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。

      2016/05/26

午前中から、色んな企業を周った。

求人案内が出てるところをはじめ、とにかく、直談判した。会社、工場……場所を問わず、とにかく足を運んだ。

……だが、現実は甘くない。

そもそも春先でもない今の時期に、求人があること自体が稀であった。そしてどこも、簡単にはいかない。

どこも同じなんだろう。余裕がないのだ。それに、オラも27歳。うまくいくことの方が、難しかった。

(やっぱり、どこも難しいな。でも、まだ始めたばかりだ……)

そして、オラは街を歩く。仕事を求めるため、乾いた風が吹くビルの隙間を、縫うように歩いて行った。

それから2週間経った。

オラがようやく見つけたのは、小さな工場の作業員だった。

正直、手取りはほんのわずかだ。それでも、働けるだけ運がよかったと言えるのかもしれない。

……しかし、この工場の勤務時間は以前の職場よりも長い。これまで夜7時くらいには家に帰れていたが、帰宅するのはいつも夜11時過ぎなった。

当然、夜ご飯など作る時間はない。

「……お兄ちゃん、最近帰るの遅いね……」

オラにご飯を持って来ながら、ひまわりは呟く。

「……ちょっと、な。働く部署が変わったんだ」

「そうなんだ……なんか、毎日クタクタになってるね」

「まあ、慣れるまでは時間かかるかな……」


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ご飯は、ひまわりが作っている。と言っても、冷凍食品が主ではあるが。

それでも作ってくれるだけありがたい。ご飯は水が少なくて固いが、それでも暖かい。

ひまわりに悟られないように、スーツで出勤する。そして仕事場で作業着に着替えるという毎日だ。

はじめ工場長も不思議がっていたが、密かに事情を説明すると、それ以降は何も言わなくなった。

仕事は、かなり労力を使う。

単純な作業ではあるが、一日中立ちっぱなしだ。そこそこパソコンを使えるが、使う機会はほぼない。

流れ作業であるために、オラが遅れれば、後の作業に影響が出る。だから一切気が抜けない。

慣れない作業に、肉体と精神力を酷使し続ける日々は、とてもキツかった。

それでも、今は働くしかない。

休日のある日の朝、オラは目を覚ました。

日頃の疲れからか、体中が痛い。それでも起きて家事をしなければならない。

……だがここで、オラはある匂いに気が付いた。

(この匂いは……味噌汁?)

どこか、懐かしい香りだった。

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