【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。
2016/05/26
「ええと……それはね……」
「……あ、もしかして言いにくい事情がおありなんですか?それなら、無理に言う必要はありません」
「……そ、そう?ありがとう、あいちゃ――」
「――こちらで、調べますので……」
「へ?」
「――黒磯」
あいちゃんの呼び掛けに、天井からスーツ姿の黒磯さんが降りて来た。
「―――!?」
黒磯さんは、白髪になっていた。色々と苦労が多いのかもしれない。それでも、その白髪頭は、まるで歴戦の戦士のように見える。なんというか、渋い。
黒磯さんは、オラに深々と一礼した。
「……お久しぶりです、しんのすけさん。お元気でなによりです」
「あ、ああ……黒磯さんも……相変わらずだね……」
「黒磯。至急調べなさい」
「――御意」
あいちゃんの言葉に、黒磯さんは再び天井にロープを投げ、スルスルと昇って行った。
……色々と、レベルアップをしているようだ。
それから十数分後……
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「――戻りました、お嬢様……」
今度は床下から這い出てきた黒磯さん。何でもありのようだ……
(ていうか、早すぎるだろ……)
そして黒磯さんは、一枚の紙をあいちゃんに渡す。
それを見たあいちゃんは、目を伏せた。
「……なるほど……こんなことが……しんのすけさんの心中、お察しします」
「察する程でもないって。特に何も考えてなかったからね」
「それでも、人のために行動するその御気持ち……あいは、感動しました!」
あいちゃんは紙を抱き締めながら、天を仰いだ。
「そんな、大袈裟だなぁ……」
するとあいちゃんは、視線をオラに戻す。そして、優しい笑みを浮かべて、切り出した。
「――しんのすけさん、あなたは、今の職場で働いていくおつもりですか?」
「う~ん……まあ、僕がいないと困るだろうし……。それより、なんで?」
「……実は、酢乙女グループの本社ビルで、新しく1名の雇用を募集しているのです」
「酢乙女グループの?」
「そうです。――しんのすけさん。そこに、応募してみませんか?」
「……え?」
「給料は今よりはいいはずです。少々体力を使いますけど……」
「いやいや、それはダメだよ」
「どうしてですか?」
「だって、なんかそれって、卑怯じゃないか。あいちゃんのコネで入るみたいな感じで……」
そう言うと、あいちゃんはフッと笑みを浮かべた。
「しんのすけさんなら、そう言うと思いました。……ですが、その心配には及びませんわ。
その募集自体は、一般に正規に知らせていること。それに、私がするのは、あくまでもそれを紹介しただけにすぎません。結局採用されるかどうかは、しんのすけさん次第な
んですよ」
「あ、そういうこと……」
そしてあいちゃんは、表情を落とした。
「……ごめんなさい、しんのすけさん。本当はすぐにでも採用したいのですが……」
「分かってるって。あいちゃんは、そこの重役だしね。知り合いだからって、重要な仕事を無条件に任せるなんてしちゃいけないよ。
――そうだな。でも、せっかくあいちゃんが勧めてくれたから、ダメ元で受けてみるよ」
「……はい!頑張ってください!あいは、信じております!」
そしてオラは、応募した。
――だがその時、オラは知らなかった。オラが応募したそれが、どういう仕事であったのかを……
それから1週間後、オラは酢乙女グループ本社ビルの前にいた。
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