【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。
2016/05/26
「え?もう帰るの?」
「まあね!父さんに居場所がバレてるなら、長居は無用!」
むさえさんは急いで靴紐を結ぶ。と、その時――
「――あ、そうだった。はい、しんのすけ」
むさえさんは、オラに封筒を手渡してきた。
「これ……」
「少ないけど、なんか美味しいのでも食べなよ」
むさえさんが渡してきた封筒には、けっこうな額のお金が入っていた。
「……こんなの、受け取れないよ……」
「そう言うなって。親族からの気持ちだから、素直に受け取りなさい。アタシも無名だったころに、散々みさえ姉さんに援助してもらってたしね。それを返してるだけなんだよ。
……それに、しんのすけ達の元気そうな顔を見れたから、それでいいの」
むさえさんは、優しくそう話した。
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「……もしかして、むさえさん。オラたちの様子を見に……」
オラの言葉に、むさえさんは照れ臭そうに頬を指でかく。
「……まあ、アンタ達に何かあったら、あの世でみさえ姉さんに合わせる顔がないしね……」
「むさえさん……」
「――そろそろ行かなきゃ!じゃあね!!」
そう言い残すと、むさえさんは出ていった。
「……なんか、カッコよくなったね、むさえおばさん……」
オラの後ろから、ひまわりが呟く。
「……そんなこと言ったら、またむさえさんにどやされるぞ?おばさんって言うなって。
――でも、その通りだな……」
いつもオラたちのことを気にかけてくれているむさえさん。その気持ちには、感謝してもしきれない。
オラとひまわりは、彼女が出ていった玄関に向け、小さく会釈をした。
「――おーいみんな!ちょっといいか!」
工場の中で、工場長が声を上げた。
その声に従業員は手を止め、彼の方を見る。もちろん、オラも例外じゃない。
「今日はうちの工場に、元請けのお偉いさんが視察に来る!しっかり働けよ!」
「うぃー!」
「それだけだ!作業に戻ってくれ!」
工場長が話を終えると、従業員は再び手を動かし始めた。
(元請けのお偉いさんか……難癖でも付けにくるのか?)
心なしか、全員緊張しているようにも見える。何しろ、元請けだしな。下手なことをしていたら、最悪契約を切られる。そうなったら、こんくらいの工場は、あっという間に危機
に陥るだろうし。
それからしばらくすると、工場に一人の女性が入って来た。
長い黒髪をした女性だった。スーツを着こなし、毅然として歩く。
彼女は工場長からの説明を受けた後、工場内を見て回る。
そんな彼女の姿を見た従業員は、思わず手を止めていた。
それもそうだろう。何しろその女性は、かなりの美人だった。どこか童顔ではあるが、整った鼻筋、仄かに桃色の唇、きりりとした凛々しい目……その全てが、 美人と呼べるだ
けのパーツであり、絶妙な配置をしている。彼女の顔を間近で見れば、目の前の作業なんて忘れてしまうだろう。
……だが、どこか見覚えもある。
どこだっただろうか……
「……あら?」
ふと、彼女はオラの顔を注視した。
(やば……なんか問題あったか?)
オラは目の前の作業工程を頭の中で確認する。不備は……ない。
だが彼女は、ツカツカとヒールの音を鳴らせながら、オラの方に近付いてきた。
そしてオラの横に辿り着いた彼女は、オラの顔を覗きこむ。
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