【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。
2016/05/26
「ここが……」
摩天楼の真ん中にそびえ立つ、超巨大高層ビル……。見上げると、目眩を起こしそうになる。
「……やっぱ、超巨大企業だよな……」
しかしまあ、見上げてばかりでは前に進めない。
とりあえず、中に入ることにした。
入り口を入ると、エントランスホールが広がる。
しかしまあ、無茶苦茶広い。たぶん、あの工場くらいの広さがある。
何だか場違いなところに来てしまった気がする。
(……いかんいかん。今の内から呑まれてどうする。落ち着くんだ……)
一度大きく深呼吸したオラは、受付に話しかける。
「――あ、あの……」
「はい。いかがされましたか?」
「ええと……今日予定されている、採用試験を受けに来たんですが……」
「……あなたが……ですか?」
受付の女性は、どこか不審がるような目をしていた。受けるのが、そんなに珍しいのだろうか。はたまた、オラが何かマズイ格好でもしてるのだろうか。……まあ、確かに安物
のスーツだが……
「……試験会場は、15階の会議室です」
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しばらくオラを見つめた女性は、淡々とオラにそう説明した。
なんだか腑に落ちないけど、とりあえず、オラは15階に向かった。
「ここか……」
看板の立てられた会議室を見つけたオラは、一度深呼吸してドアを開けた。
ここに、ライバル達が……
「…………」
――目の前の光景に絶句する。
会場にいたのは、オラが想像していた人ではなかった。
皆、屈強な体をしている。顔に傷があったり、筋肉隆々だったり……。オラがドアを開けるや、全員が鋭い目つきでオラを睨み付けてきた。
その部屋だけ、海兵隊か何かの部屋のように異様な雰囲気だった。
「……間違えました」
オラは静かに、ドアを閉める。
そして入り口に立て掛けられた看板を、もう一度じっくりと眺めてみた。
そこに書かれていた文字は、何度見ても採用試験会場……間違いはないようだが……
何はともあれ、とりあえず中に入ることにした。
それから少ししたら、試験官がやって来た。
年配の、とても小さい人だった。プルプル体が小刻みに震えている。
オラも浮いているが、オラよりもっと浮いていた。
「……えぇ、それでは、試験の説明に入らせていただきます。
試験は3日に分けて行われます。それぞれ、面接、体力、実技を行う予定です」
(実技って……何の?)
「それでは、さっそく始めますね。――ではまず、グルチェンコフさん」
「俺ノ出番カ!!採用ハ俺ガモラウカラナ!!HAHAHAHA…!!」
ゴリマッチョのドデカイ外国人さんが、片言で出ていった。ロシア人だろうか。
……てか、あんな人も受けてるんだ……
そこに来て、もしかしたら、すんごく変なものに応募してしまったのではと思い始めた。
だって、どう見てもパソコンとか使えそうにないし。
重火器使わせたらランボーより強そうだし。
全員が、まるで戦闘前のように瞑想にふけってる。
よく見れば、思い切りミリタリーチックな服装をしている人もいた。
スーツは、オラだけだった。
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