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【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。

      2016/05/26

「ええと……何か……?」

するとイケメンは、意外なことを口にした。

「……あの……失礼ですが、もしかして、野原しんのすけさんですか?」

「……へ?」

「……そうだったんですか。ねねちゃんから……」

「はい。しんのすけくん達のことは、桜田先生からよく聞いています」

オラとイケメンは、行く方向が同じだったため、二人ならんで歩いていた。

なんでも、ねねちゃんは、よくオラ達の話をするらしい。

それにしても、よくオラって分かったな……イケメンは、第六感までも凄まじいのかもしれない。初対面でくん呼ばわりするあたり、少し馴れ馴れしいが。

「……そう言えば、保育士さんなんですよね?」

「ええ。一応……」

イケメンは、照れながら頭をかいていた。どうでもいいが、いちいちイケメンで困る。

「いやいや、幼稚園ではさぞや人気があるでしょう」

「そうでもないですよ。普通くらいです。それに、僕なんかより、桜田先生の方がよっぽど人気がありますよ」

「……マジですか?」

「マジです。……桜田先生は、本当にパワフルですからね。こういう言い方をすれば語弊があるかもしれませんが、子供のような人なんです」

「へえ……というと?」


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「子供が笑えば一緒に笑って、子供がケンカすれば一緒になって暴れて、子供が泣けば、今にも泣き出しそうな顔をしながらあやす……桜田先生は、子供達と同じ目線に立
てる人なんですよ。

おまけに、少し変わった親が無理難題な容貌を言ってきても、断固としてそれに応じたりしませんし。あくまでも、子供達を基準に考えているんです。

その姿勢が、保護者、同業者、子供達から、高い評価を得てるんですよ。

……それは、見ていて羨ましいくらいです」

「そうなんですか……」

「ああ、誤解しないでくださいね?僕が羨ましいと言ったのは、僕にはない色々な魅力を、彼女が持っているからなんです。

……彼女はね、僕の憧れなんですよ。僕もああやって、自然体で子供達と向き合いたいんです」

「……あなたなら、きっとできますよ」

「そう言ってくれると嬉しいですね」

イケメンは、嬉しそうにはにかんでいた。

(……まさおくん。どうやらキミは、身も心も完全に負けているようだよ……)

心を色で表現するなら、この人は間違いなく白だ。そしてまさおくんは、どこまでも深い深い黒だろう。

(……明日、店を予約するか……)

その時点で、まさおくんを元気づける会の開催は、決定した。

「――あ、僕はこっちなので……」

三叉路に差し掛かったところで、イケメンはオラとは別の方向を指さした。

「わかりました。お仕事、お疲れ様です」

「いえ、しんのすけくんこそ。また今度、園に遊びに来てくださいね。桜田先生も、きっと喜びますよ」

「そうさせてもらいます。……あ、そう言えば、まだお名前を……」

「……え?」

イケメンは、驚いたように立ち止まった。

「……ええと……」

「……やだなあ、しんのすけくん。僕ですよ……」

「……ぼ、僕?」

「忘れちゃったんですか?――バラ組の、河村やすおです」

「河村やすお?……って、もしかして……チーター!!??」

「あ、そのあだ名、懐かしいですね」

イケメン改め、チーターはクスクスと笑う。だからなぜ一つ一つの動作が、そんなにイケメンなのか……

(チーターって……えええええ!!??別人過ぎるだろ!!!!)

あまりの衝撃にフリーズしていると、チーターは手を振って帰り始めた。

「では、僕はこれで……」

「あ……はあ……」

衝撃から依然として解放されなかったオラは、力なく手を振り返すしかなかった。

……時の流れは、チーターをイケメンにメガ進化させたようだった……

「――しんちゃん聞いてよ!!」

それから数日後の夜、まさおくんは血相変えて家に飛び込んできた。

靴を乱雑に脱ぎ捨てたまさおくんは、そのまま居間にいたオラの元へ駆け寄る。

「あ、あの男のことを調べたんだけど……!!」

調べた結果……そんなもの、分かりきっていた。

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