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【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。

      2016/05/26

『――お兄ちゃん!ひま、大きくなったよ!』

『お?どれどれ……なんだ、まだ小さいじゃないか……』

『そんなことないもん!ひま、大きくなってるもん!もうすぐ大人だもん!』

『そうか?なら、記録でも付けておくか……』

『記録?』

『そうそう。……この傷が、今のひまわりの身長。これを見下ろせるくらいになったら、きっとひまわりは、素敵な大人になってるだろうな』

『素敵な大人?』

『ひまわりの名前の通り、色んな人を、元気にさせる人だよ。きっとひまわりなら、みんなを幸せに出来るさ』

『……よく、分かんない……』

『ハハハ、難しかったかな。まあ、大人になったら分かるよ―――』

(……すっかり、忘れていたな……)

その傷は、すっかり見下ろせる位置になっていた。

オラは、大人になったのだろうか。ひまわりはどうだろう……

でも、彼女との想い出を振り返ると、自然と笑顔になれる。だったら彼女は、きっと、あの日話していた通りの大人になれたんだと思う。

――そしてそれは、オラが生涯、誇りに思えることだと思う。

(……父ちゃん、母ちゃん。これで、良かったんだよな。オラ、頑張ったよな。最後まで、ひまわりは笑顔だったよ。これなら、褒めてくれるよな……)

天井を見上げ、心の中で父ちゃん達に報告する。

大きく息を吸い込み、息を深く吐く。

胸の中は、どこか穴が空いているような気分だった。それでも、それ以上に暖かい。

「――よし!掃除を始めるかな!」

何かを奮い立たせるように、少し声を強く出す。そして、掃除に戻った。

――ピンポーン

「……ん?」

その時、ふと玄関からチャイムが鳴り響いた。

「誰だろう……」

掃除を一時中断し、玄関に向かう。そして鍵を開け、少し古くなった玄関を開けた。


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「――はい」

「……こんにちは、しんのすけさん」

そこには、笑顔で会釈するあいちゃんがいた。

「あれ?どうしたのあいちゃん……」

「あら、私が来てはいけないんですか?」

あいちゃんは、少し意地悪な笑みを浮かべる。

「い、いや……そんなわけじゃないけど……」

戸惑っていると、彼女はクスリと笑う。

「……お邪魔しても、いいですか?」

「……あ、ああ。どうぞ」

そしてオラは、あいちゃんを家に招き入れた。

「――ずいぶん、片付きましたね」

あいちゃんは、そう呟きながら部屋を見て回る。

「まあね。オラの荷物、ほとんどないからさ。一人にはもったいないくらいの家だよ」

笑いながら、言ってみた。

するとあいちゃんは、顔を赤くして俯いてしまった。

「……ん?どうしたの?」

「……い、いえ……それにしても、静かですね……」

「え?あ、ああ……そうだね……」

「……」

「……」

……なんだか、不思議な空気が部屋中に満ちる。

「……私で、よければ……」

しばらく俯いていた彼女は、小さな声で話してきた。

「え?」

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