世界一貧しい大統領が語る【本当の幸せ】とは
2018/09/22
毎日同じ時間に起きて、仕事に行って、疲れて帰って来て寝て、たまにうさ晴らしに飲みに行って…そんな毎日を繰り返していると「幸せって何だろう、何の為に生きているんだろう」と悩む事もあります。無味乾燥のような生活の繰り返しに彩りが欲しい…そう願って手を出す酒や煙草、ちょっといいディナー、かっこいい外車…手に入れた瞬間の幸福とは裏腹に嬉しいのはその時だけ。やがて襲われる虚無感に気付くはずです。一体、この正体は何でしょう?
その答えを示してくれるのが「世界一貧しい大統領」として有名なホセ・ムヒカ大統領の金言でしょう。今回は第40代ウルグアイ大統領を務めたムヒカ氏を有名にした環境サミットリオ会議の演説で多くの人が心を打たれた『幸せの定義』をご紹介しましょう。
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午後からずっと話されていた事は、持続可能な発展と世界の貧困を無くす事でした。
私たちの本音は何なのでしょうか?
現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似する事でしょうか?
(中略)
我々の前に立つ巨大な危機感は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私たちは発展するために生まれてきたのではありません。
幸せになるためにこの地球にやってきたのです。
人生は短いし、すぐに目の前を過ぎてしまいます。
命よりも高価なものは存在しません。
ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。
(中略)
昔の賢明な方々、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんな事を言っています。
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人の事だ」
(中略)
(欲望のままに高価な商品やライフスタイルを欲すれば)バイク、車などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
そして自分にこんな質問を投げかけます。
(中略)
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。
愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。
—
いかがでしょうか?確かに高価な車やお洒落なレストランでのディナー、流行の服、一万坪の豪邸は欲望を満足させてくれるかもしれません。しかしそれは一時的なものです。
フランスの格言に「一日幸せでいたければ美味しいものを食べなさい。一週間幸せでいたければ車を買いなさい。一年幸せでいたければ家を買いなさい。」というものがありますが、では一生幸せでいる為にはどうすればよいのでしょう?ムヒカ大統領のスピーチを読めば、もうおわかりですね?
本当の幸せは私たちのすぐ身近にあり気を配らなければ見逃してしまう、小さなもの。多くの魅力的なモノたちが私たちの幸せを奪うそのバラドックスに気付けば、幸せな生活はすぐにでもやって来る事でしょう。
[作品名:ムヒカ大統領の環境サミットでの演説]
※掲載にあたり一部の表現を原文から変更しています
出典元:ストレスを抱えたあなたのための感動ストーリー短編集〜「生きてて良かった!」と思える、涙の珠玉作品〜
著者ナビゲーター 芳川充
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