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【日本中が涙した】22年後のクレヨンしんちゃん。 「しんのすけ」と「ひまわり」の成長した姿に涙。。。

      2016/05/26

その笑顔を見たオラは、少しだけ安心した。

「……それで、いいんだよ」

「え?」

「あいちゃんの苦悩とかは、正直オラにはどうすればいいのか分かんないよ。だけど、こうやって嫌なことを忘れて、笑ってもらうことは出来る。

辛い時とか、苦しい時は、そうやって笑うのが一番なんだよ。落ち込んでいるときに色々考えても、結局泥沼にはまっちゃうものだし。

笑って、心をスッキリさせて、そしてもう一度考えるんだ。どうしていくのか……どうしたいのかを。

――そうやって、オラは毎日生きてる」

「………」

「あいちゃん……今日は一日、思いっきり笑おうよ。そしたら、何かが変わるかもしれない」

「……そう、ですね……」

するとあいちゃんは、水にぬれた靴を脱ぎ捨てた。

「……しんのすけさん!もう一度、飛び込んでみたいです!」

「……うん!行こうよ!一緒にさ!」

それからオラとあいちゃんは、海で遊び回った。

彼女にとって、こうやって服のまま海で遊ぶのは、初めてなのかしれない。

彼女は笑っていた。凄く楽しそうに。

遠くの太陽が水平線にそろそろ落ちるかという時間。

オラとあいちゃんは、駅まで歩いていた。もうすぐ、最終電車の時間が迫っていたからだ。

これからどこに行くかは分からない。ただ、こんなところで野宿するわけにもいかない。

二人ならんで、畦道を歩く。

昼間来た時よりも、足元から伸びる影は長い。

「……しんのすけさん、今日はありがとうございました」

あいちゃんは、改めて頭を下げて来た。


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「今日は、いいリフレッシュになれました。服が濡れてしまいましたけど、後日弁償を……」

「ああ、それはいいよ。ひまわりにはオラから言っておくから」

(たぶん、激怒されるだろうけど……)

「……そう、ですか。でも、今日という日は、私は忘れません」

「大袈裟だなあ」

「そんなことないです。今日は、本当に充実した日になりましたし。

――ですが、それも終わりのようです」

「……え?」

あいちゃんは、歩く先を見つめていた。その方向には、スーツ姿の男性が3人……

「あれは……」

「………」

男性たちは、何も言わずにオラ達のもとへ歩み寄ってきた。

「……お迎えに参りました、お嬢様……」

男達はあいちゃんに深々と一礼する。

「……お迎えって……」

「……おそらく、父が……」

あいちゃんは、寂しそうに呟いた。

「………」

あいちゃんは、さっきまでの暖かい表情から、とても暗い、沈んだものに変わっていた。

「さあ、お嬢様……いつまでも、お父様方に迷惑をかけてはいけません」

「………ッ」

男の一人が、あいちゃんに手を差し出す。

「……分かりました」

あいちゃんは、男達に向け一歩足を踏み出す―――

「――あいちゃん、待って」

そんな彼女を、オラは手を出して制止した。

「し、しんのすけさん?」

「………」

彼女は驚いたように顔を向け、逆に男達はオラを睨み付けた。

そんな男達に、聞いてみた。

「……あいちゃんの両親は、今何してるんですか?」

男達は、一度顔を見合わせる。そして、一番先頭の男が、口を開いた。

「……会長ご夫婦は、現在重要な会議に出席されています。このようなところに、来れるはずもありません」

「……重要な会議、ね……」

……なんだか、凄く頭に来た。

「……ご両親にお伝えください。――お嬢さんは、オラが責任もって預かる、と……」

「――ッ!?し、しんのすけさん!?」

「……それは、どういう意味でしょうか?」

「その通りの意味ですよ。彼女は、しばらく家には帰しません。どうしてもというなら、自分の足で迎えに来てください……そう、言っておいてください」

「………」

男達の眼光は、更に鋭さを増す。そして、さっきまでとは違う、どこかドスの効いた声を出してきた。

「……あまり、調子に乗らないでもらいたい。会長が、どういう立場の御方か……わかってるのですか?」

「そんなもん知ってるさ。十分すぎる程な」

「それならば、すぐにお嬢様をこちらに……」

「――あいちゃんの父親……それ以外に、何があるんだ?」

「―――ッ」

「オラには、あいちゃんの父ちゃんが何を考えているのかは分からないよ。

……でも、こうしてあいちゃんは悩んでる。苦しんでる」

「……」

「それを、ただ一言、自分たちの言うとおりにしろだので片付けて、挙句迎えにはこんな胡散臭い男達を送って、自分たちは大事な大事な会議と来たもんだ。

……これじゃ、あいちゃんが悩むのも無理ないな」

その言葉に、男は怒りを露わにする。

「……いい加減にしろ。たかだか一介のボディーガードの分際で、会長を侮辱するつもりか?どんな目に遭うのか、分からないのか?」

「……悪いが、今日はあいちゃんのボディーガードじゃないんだよ。今日はな、あいちゃんの友達として、ここにいるんだ」

「……しんのすけさん」

「友達が悩んでいるから、手を差し伸べただけだ。お前のとこの会長殿はどうだ?手を差し伸べたか?あいちゃんをちゃんと見てるのか?

――見てねえだろ!それが家族か!?そんなものが、家族って言えるのか!?」

「……」

「答えろよ!お前は、誰に頼まれてあいちゃんを迎えに来たんだよ!!

酢乙女グループの会長からか!?それとも、あいちゃんの父親からか!?

――答えてみろ!!!」

……辺りは、静まり返った。

すると男の一人に、突然電話がかかってきた。

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